vectexのソースコードをダウンロードすると、その中に「agg-2.5」「expat-1.95.8」というフォルダがあります。

vectexのReadmeを読んでみると、このプラグインの作者 mgmalheirosさんは、オープンソースの2D描画ライブラリ「AGG」に付属しているSVGビュワーを元にして、このプラグインを作成したようです。
「AGG」というのは「Anti-Grain Geometry」というのが正式名称で、Maxim Shemanarevさんという方が作られています。このサイトのトップページのメニューに「SVG Viewer」という項目があり、そこにこのライブラリを使ったSVG ViewerのWindows版ファイルとサンプルのSVGグラフィックがダウンロードできます。

サンプルというだけあって、SVGファイル名を引数として指定してコマンドラインから実行するという使用方法になっています。
コマンドラインからの実行ということでちょっと面倒ですが、あるSVGファイルがBlenderのvectexプラグインで使えるかどうかを調べるのに使えそうです。

ただ、なぜかLinux版の実行ファイルはダウンロードできるようになっていません。ソースコードから自分でコンパイルしてくださいということらしいです。基本的には「make」コマンドを使うだけなのですが、私がこのSVG_Viewerをコンパイルするまでにちょっととまどう部分がありましたので、少しその手順を説明したいと思います。
svg_viewerのソースファイルは「agg-2.5」フォルダの中の「examples」フォルダの中の「svg_viewer」というフォルダの中にあります。フォルダの中を見てみると、普通ならあるはずの「Makefile」が見当たりません。

他のサンプルファイルは「examples」の中の「X11」フォルダにある「Makefile」を使ってまとめてコンパイルすることができましたが、その中にSVG Viewerはみつかりません。これは、もしかして自分で「Makefile」を作れということなのかと思って、しばらく悩みました。
結果的には「agg-2.5」フォルダのreadmeファイルをよく見ると、そこにコンパイルの仕方が書かれていました。
実は他のサンプルファイルと同じく「X11」フォルダにある「Makefile」に、SVG Viewerのための記述も書かれているのですが、SVG Viewerは他のライブラリ(freetype,expat)に依存しているためデフォルトではコンパイルされないようになっているそうです。
Ubuntuのパッケージマネージャ「Synaptic」で確認すると、私の環境ではどちらもインストール済みでしたので、そのままでコンパイルできそうです。SVG Viewerをコンパイルするには、端末ウィンドウで「exapmles」-「X11」に移動して、
$ make svg_test
と入力するだけです。
ちなみに、makeの後に指定しているのは、すべてをコンパイルするときに指定する「all」、makeで作成されたオブジェクトファイルなどを削除する「clean」などと同じ「ターゲット」というものです。「Makefile」の中でSVG Viewerに関する記述が「svg_test」というターゲットの下に書かれているので、この名前を指定することでmakeコマンドにSVG Viewerをコンパイルさせることができるということです。
Linuxでプログラミングをする場合、makeコマンドの動作の仕組みとかをある程度知っていないといけないようです。
※追記
「Makefile」について「make」コマンドとまぎらわしい記述になっていたのを修正しました。